書誌事項
- タイトル別名
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- Estimation of Dry Matter Weight of Soybean Using the New Vegetation Index
- アラタ ナ ショクセイ シスウ オ モチイタ ダイズ グンラク ニ オケル チジョウブ カンブツジュウ ノ スイテイ
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説明
作物の栽培過程において地上部乾物重を精度よく推定することができれば,その後の肥培管理や収量予測に大きく貢献することが期待される.新たな植生指数である,日別のクロロフィル指数と日積算日射量の積の積算値(∑(CI×I))を用いたダイズ地上部乾物重の単回帰による推定の有効性について検証した.正規化植生指数(NDVI)およびクロロフィル指数(CI)を比較対象とした.ダイズ品種サチユタカを2018年~2020年の3か年,奈良県および京都府で栽培し,栽植密度または,窒素施肥条件を変えることで地上部乾物重を異にする様々なダイズ群落を得た.地上部乾物重を生育期間中に4~5回調査するとともに,NDVIおよびCIを,約2週間間隔を目安として5~6回調査した.地上部乾物重と各植生指数の関係から,その回帰式および決定係数を求めた.3か年を通して,地上部乾物重と∑(CI×I)との間には有意な正の相関関係が認められ,決定係数は0.90~0.97であった.また,開花始期以降において,年ごとに求められた∑(CI×I)による地上部乾物重を推定するための回帰式について,それらの傾きおよびY軸切片において,年次間で有意差が認められなかった.このことから,年次や肥培管理の異なる群落であっても開花始期以降において∑(CI×I)が一つの回帰式でダイズ地上部乾物重を推定することができることが明らかになった.これらのことから,新たな植生指数∑(CI×I)がダイズ地上部乾物重を推定する指標として有効であると考えられた.
収録刊行物
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- 作物研究
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作物研究 66 (0), 47-53, 2021
近畿作物・育種研究会