先天性前胸部皮下皮様瘻孔

  • 加藤 翔子
    愛知医科大学病院外科学講座(消化器外科)
  • 金子 健一朗
    愛知医科大学病院外科学講座(消化器外科)
  • 福山 貴大
    愛知医科大学病院外科学講座(消化器外科)
  • 松下 希美
    愛知医科大学病院外科学講座(消化器外科)
  • 佐野 力
    愛知医科大学病院外科学講座(消化器外科)

書誌事項

タイトル別名
  • Congenital Dermoid Fistula of the Anterior Chest Region: Report of Two Cases and Review of Fifty Cases
  • 先天性前胸部皮下皮様瘻孔 : 自験例2例の報告,および既報告50例の検討
  • センテンセイ ゼン キョウブ ヒカ ヒ ヨウロウコウ : ジケンレイ 2レイ ノ ホウコク,オヨビ キホウコク 50レイ ノ ケントウ
  • ―自験例2例の報告,および既報告50例の検討―

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説明

<p>先天性前胸部皮下皮様瘻孔は左胸鎖関節部に好発し,扁平上皮と皮膚付属器で構成される瘻孔だが,その疾患概念は未だ普及していない.症例は10か月男児と1歳女児で,両者とも出生時より左胸鎖関節部に皮膚孔を認め,発赤腫脹を伴ったため受診された.超音波検査で瘻孔直下に囊胞を認めた.瘻孔に色素を注入し剥離すると,1 cmの深さで囊胞を形成して盲端となっていた.病理組織学的に瘻孔内腔は扁平上皮で覆われており,囊胞壁には毛囊・脂腺・汗腺を認めた.自験例含む報告例52例を検討すると,繰り返す感染が特徴で,術後再発が1例みられたので,瘻孔の走行確認と周囲の皮膚付属器を含めた完全摘出が必要である.瘻孔の深部で囊胞または結節となって拡張している場合が多く,深部組織を遺残させないことが肝要である.自験例では瘻孔切除時の色素注入が有用であった.</p>

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