没入型VR環境の時間変調の心理的・認知的効果に関する探索的検討

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タイトル別名
  • Exploratory study on the psychological and cognitive influences of temporal modulation of immersive VR environment
  • ボツニュウガタ VR カンキョウ ノ ジカン ヘンチョウ ノ シンリテキ ・ ニンチテキ コウカ ニ カンスル タンサクテキ ケントウ

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抄録

我々の知覚や認知は外界の環境に影響されて変容が生じる.近年盛んに研究が行われている Virtual reality (VR)は現実世界では実現不可能な環境を作りだし,特殊な環境における認知的変化の検討に有効である.本研究では現実では不変の物理量である時間速度に焦点をあて,没入型VR環境の時間変調がもたらす心理的・認知的効果について探索的な検討を行った.実験では没入型ヘッドマウントディスプレイ(Head mount display; HMD)を用いて,観光案内の VR映像を 1.5倍速または 0.6倍速で約 3分間呈示して,時間変調環境へ順応した.その後,反応時間課題,潜在的時間速度の測定として 1秒間隔でボタン押し反応を行うタッピング課題,主観的な時間経過評価の測定として映像視聴時間を問う時間知覚課題,疲労や感情・過去や未来に対する評価への変容を問う質問紙への回答を求めた.その結果,未来の評価づけに影響を与える可能性が示されたものの,本研究で用いた実験状況における時間変調環境への順応の心理的・認知的効果は極めて小さかった.

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