結晶誘発性関節炎の関節液所見の特徴

この論文をさがす

抄録

<p>関節炎の確定診断には,培養検査による菌体同定,検鏡による結晶の同定が必須であるが,関節液の細胞数やグルコース値が補助診断となる.本研究の目的は,結晶誘発性関節炎の関節液を分析し疾患の特徴を明らかにすることである.2018年から2020年に当院で確定診断に至った痛風性関節炎(痛風)4例とピロリン酸カルシウム結晶沈着症(偽痛風)11例を対象とした.痛風は細胞数(/mm³)23700(5000-46150),グルコース値(mg/dl)120(104-173.5)であった.偽痛風は細胞数35600(10800-110400),グルコース値127(109-172)で,両群間に有意差は認められなかった.関節液細胞数と血糖値と関節液グルコース値の差は,痛風群(R2乗:0.98,p<0.01),偽痛風群(R2乗:0.75,p<0.01),痛風+偽痛風群(R2乗:0.77,p<0.01)と3群で相関を認めた.結晶誘発性関節炎の関節液結果は近似すること,結晶誘発性関節炎で細胞数が著明に増加した炎症の状態では大幅に関節液グルコースが消費される可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ