働く母親はどのように家庭教育に関わるのか――就学前から形成される〈教育する家族〉の格差と葛藤――

書誌事項

タイトル別名
  • How Do Working Mothers Engage in Children’s Education at Home?: Inequality and Dilemma in an “Educating Family” during Early Childhood
  • ハタラク ハハオヤ ワ ドノ ヨウ ニ カテイ キョウイク ニ カカワル ノ カ : シュウガク マエ カラ ケイセイ サレル 〈 キョウイク スル カゾク 〉 ノ カクサ ト カットウ

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説明

<p>本研究は,ぺアレントクラシー下での母親の教育責任の増大に注目し,働く母親の家庭教育をめぐる葛藤と家庭教育を通じた格差形成を明らかにする.この目的のため,就学前の子どもをもつ働く母親に半構造化インタビューを行い,彼女たちが家庭教育をどのように捉え,父親とどのように分担しているのかを階層視点から検討した.42名を対象とした分析から,「教育する家族」の子育てが,①父母協働志向の〈親が導く子育て〉,②母親に偏った〈親が導く子育て〉,③父母協働志向の〈子どもに任せる子育て〉,④母親に偏った〈子どもに任せる子育て〉に分化していることを示した.このモデルからは,子育て理念と父母のかかわりの違いが組み合わさることで,家庭教育を通じた大きな格差が就学前から生じている可能性が示唆された.また,働く母親の葛藤が,「親が導く」子育ての圧力と家庭教育への父親の関与の少なさによって生じていることも明らかになった.</p>

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