スギ林における放射性セシウムの分布に及ぼす地形の影響

DOI
  • 篠宮 佳樹
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 三浦 覚
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 金子 真司
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所
  • 大橋 伸太
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 荒木 眞岳
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 今村 直広
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 坂下 渉
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 阪田 匡司
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Topographical impact on the distribution of radioactive cesium in Japanese cedar forests

抄録

<p>放射能汚染により立入りが制限されている森林の取扱いを検討するための基礎資料として、帰還困難区域とその周辺に位置するスギ林9地点で放射性セシウムの分布を調査した際、そのうち1地点で空間線量率は同じ程度であっても葉や材の放射性セシウム濃度が相対的に高い地点が存在した。その地点が比高差(約15m)の小さな尾根上にあったため、斜面系列での放射性セシウム分布の実態を調査した。スギの林齢は36年生、平均胸高直径は29cmであった。小尾根から沢沿いにかけての斜面系列でスギ10個体から葉、枝、樹皮、材を採取し、16地点からリター、土壌を採取した。また、土壌採取地点では空間線量率(地上高1m)を測定した。その結果、16地点の空間線量率に明確な違いはなかったのに対し、葉と材のCs-137濃度は尾根で相対的に高く、谷で低い傾向があった。また、リターのCs-137濃度は尾根で高く、谷に向かって低くなっていた。これに対して、土壌(0~5cm深)は尾根で低い傾向が認められた。以上のように、スギの葉、材、リター、土壌(0~5cm深)のCs-137濃度は地形の影響を受けていると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853038535095808
  • NII論文ID
    130008117881
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_482
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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