アカマツ根圏における細胞外トラップ(RETs)の可視化

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タイトル別名
  • Visualization of root extracellular traps (RETs) in the rhizosphere of <i>Pinus densiflora</i>

抄録

<p> 植物の生体防御機構の一つとして、根冠から脱落する境界細胞などで構成される細胞外トラップ(Root extracellular traps: RETs)が挙げられる。本研究では、シロイヌナズナやマメ科植物に比べて知見が乏しい外生菌根性樹木におけるRETsを、蛍光染色法などを用いて可視化した。無菌的に発芽させたアカマツ初生根(根長0.5–2.0 cm)を対象に、RETsの主な構成要素である境界(様)細胞、粘性滲出物(ムシゲル)、細胞外DNA(exDNA)を実体・光学顕微鏡下で観察した。根端部を滅菌水、クリスタルバイオレット溶液、またはインディアインクに浸したところ、根冠から速やかに境界(様)細胞の脱落とムシゲルの放出が起きることが確認された。加えて、破損した境界細胞において短軸方向から核と細胞質、長軸方向先端部から糸状の構造物(ストランド)の放出が見られた。Hoechst33342とSYTOX Greenによる蛍光染色では、短軸方向から放出されたexDNAが網状の構造をとる様子が確認されたが、ストランドは染色されなかった。これらの結果から、アカマツ初生根の根冠においてRETsが機能していることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853038535110016
  • NII論文ID
    130008117975
  • DOI
    10.11519/jfsc.132.0_608
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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