山陰帯島根県雲南地域に分布する大東花崗閃緑岩の火成活動

  • 野口 将志
    島根大学大学院自然科学研究科地球科学コース 現在:株式会社オリエンタルコンサルタンツ
  • 亀井 淳志
    島根大学総合理工学部地球科学科
  • 鈴木 博美
    野口眼科・内科・循環器内科
  • 小林 夏子
    応用地質株式会社(長野営業所)

書誌事項

タイトル別名
  • Igneous activity of the Daito granodiorite in the Un-nan area, San'in zone, Southwest Japan
  • サンインタイ シマネケン ウンナン チイキ ニ ブンプ スル ダイトウ ハナオカセンリョクガン ノ カセイカツドウ

この論文をさがす

抄録

<p>本研究では西南日本弧の山陰帯に産する大東花崗閃緑岩について,野外の産状,岩石記載,帯磁率測定,および全岩化学分析をもとにその火成活動を明らかとした.この岩体は,1)苦鉄質包有岩を普遍的に含むこと,2)自形性の強い普通角閃石もしくは黒雲母を含むこと,3)磁鉄鉱が苦鉄質鉱物に多く伴われること,4)高い帯磁率を有すること(5×10-3 SI単位以上)で特徴づけられる.岩相は中~粗粒普通角閃石黒雲母花崗閃緑岩から中粒黒雲母花崗岩を示し,この変化は斜長石,普通角閃石,および黒雲母の分別結晶作用によって形成されている.本研究により大東花崗閃緑岩の地質図は大幅に改訂され,その結果として貫入時期は約57 Maと判明した.既存研究も含めて火成活動を考察すると,大東花崗閃緑岩は山陰バソリスの因美新期貫入岩類(68~53 Ma)における暁新世の火成岩体に位置づけられる.</p>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 127 (8), 461-478, 2021-08-15

    一般社団法人 日本地質学会

参考文献 (44)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ