成長期の少年野球選手の上腕骨内側上顆裂離に対する保存治療成績

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  • Outcome of conservative treatment for medial epicondylar fragmentation before epiphyseal closure in young baseball players

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抄録

上腕骨内側上顆裂離(裂離)のある野球選手100例(平均年齢11.5歳)の保存治療成績を調査した.リハビリテーションでは肩甲胸郭関節,体幹,下肢のコンディショニングを行い,自主トレーニング用パンフレットを配布し,自宅でも継続して行うよう指導した.投球休止は平均53日であった.経過観察期間は平均9.4か月(最低3か月)であった.肘痛の再発は35例にあった.骨癒合は89例に得られ,うち19例では裂離の再発があり,16例では再癒合が得られた.最終調査時の骨癒合は86例であり,うち54例に成熟骨癒合が得られ,スポーツ復帰が91例,仮復帰が8例であり,1例(未復帰)は経過中に離断性骨軟骨炎を発症した.低年齢選手に未癒合が有意に多く,幼若な骨端損傷には慎重に対処すべきである.成熟骨癒合段階まで治癒すると肘痛や裂離の再発が有意に低下したので,成熟骨癒合が治療の指標の一つになる.

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