小学校理科における河川環境を主題としたカリキュラム・マネジメントの開発

DOI Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Curriculum Management on the Theme of River Environment for Science Education in Elementary School
  • —Based on SDGs, from Teaching Practice Using the Yasu River Basin in Shiga Prefecture as an Example—
  • ―SDGsを踏まえ,滋賀県野洲川流域を例にした実践から―

抄録

<p>近年,河川の氾濫による洪水が頻発しており,河川水害に対する防災教育は,持続可能な社会の構築の観点からも取扱いを検討する意義がある。一方,河川は災害の危険性を有するだけでなく,水の供給,過去には人間が居住する沖積平野の形成による恵みももたらし,自然の二面性が存在する。そこで,本研究では身近な地域の滋賀県野洲川を題材として,小学校第5学年を対象に,河川環境の変遷と人間活動の歴史から自然の二面性を捉えることができる学習プログラムを開発した。学習プログラムでは,モデル実験によって野洲川流域での自然災害を捉えることと,弥生時代の遺跡から利水・治水を通して人々の生活を読み解くことなど,教科等横断的に実施した。本学習プログラムを受けた児童を対象に,授業の事前事後に描いたイメージマップを記述させ,その内容の比較をした。その結果,児童は河川の恵みと危険性を認識することができた。以上,本研究では,理科を中心としたカリキュラム・マネジメントの視点で構成した本学習プログラムが,学習指導要領解説総則編で示されている「防災を含む安全に関する教育(現代的な諸課題に関する教科等横断的な教育内容)」を具現化したものとして,さらにはSDGsのねらいにも沿ったものであることを示した。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 62 (2), 475-483, 2021-11-30

    一般社団法人 日本理科教育学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ