O10-2 脳血管障害例に対する麻痺側頸部・腰部への電気刺激が座位バランスに与える即時効果の検 討 -予備的研究-

DOI
  • 矢田 拓也
    独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター リハビリテーション科 東京都立大学 人間健康科学研究科 理学療法科学域
  • 網本 和
    東京都立大学 人間健康科学研究科 理学療法科学域
  • 水野 耕平
    独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター リハビリテーション科
  • 轟 大輔
    独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター リハビリテーション科
  • 中内 美由紀
    独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター リハビリテーション科
  • 保坂 陽介
    独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター リハビリテーション科
  • 魚島 理智
    独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター リハビリテーション科

抄録

<p>【目的】脳血管障害例の座位バランス能力に対し,頸部,または腰部への電気刺激療法が有効であることが報告されているが,頸部と腰部に対して同時に電気刺激を行った介入効果は明らかになっていない.本研究では,予備的研究として脳血管障害例2 症例に対し,麻痺側頸部、腰部への電気刺激が座位バランスに与える即時効果を検討した.</p><p>【倫理的配慮】ヘルシンキ宣言に基づき口頭及び書面にて同意を得て実施した.</p><p>【方法】対象は,女性,右利き,意識清明な脳血管障害例2 名であった.症例1:70 歳代,右内包後脚~視床の脳梗塞,発症24 日目,SIAS:61 点,Trunk Impairment Scale (TIS):9 点,症例2:60 歳代,右視床出血,発症13 日目,SIAS;71 点,TIS:9 点であった.症例1 をSham 刺激,症例2 をReal 刺激に割り当てた.Real 刺激は,座位バランス訓練に麻痺側頸部(胸鎖乳突筋),腰部(脊柱起立筋)への電気刺激を併用して20 分間介入した.電気刺激は,周波数100Hz,パルス幅200μs,強度は筋収縮の生じない範囲で最大の強度に設定した.Sham 刺激は,Real 刺激と同様のパラメーターで電気刺激を30 秒のみ実施した後に電気刺激を切り,座位バランス課題のみ実施した.アウトカムは,座圧分布計(住友理工社製,ソフトビジョン)を用いて座位における麻痺,非麻痺方向への重心移動課題時の総軌跡長,左右方向重心位置とした.また,ビデオカメラにて重心移動課題中の頸部,体幹,下腿を撮影した映像からImage J を用いて各関節角度を算出し,これらを介入前後で比較した.</p><p>【結果】Real 刺激はSham 刺激と比較し,重心移動課題中の体幹側屈角度が大きく増加した.(症例1 はSham 刺激にて麻痺側;10.2°→5.0°,非麻痺側;2.3°→3.0°となった.症例2 はReal 刺激にて麻痺側6.6°→11.1°,非麻痺側;8.7°→13.7°を示した.)</p><p>【考察】頸部,腰部への同時電気刺激は,急性期脳血管障害例の座位パフォーマンスを向上させることが示唆された.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853179619958528
  • NII論文ID
    130008121398
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.40.0_57
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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