O17-2 腰痛を有するデスクワーカーの身体的特徴-可動性と静的アライメントに着目して-

DOI
  • 山野 拓也
    医療法人社団紺整会 船橋整形外科 市川クリニック
  • 平野 健太
    医療法人社団紺整会 船橋整形外科 市川クリニック
  • 網代 広宣
    医療法人社団紺整会 船橋整形外科 市川クリニック
  • 伊牟田 真樹
    医療法人社団紺整会 船橋整形外科 みらいクリニック
  • 仲島 佑紀
    医療法人社団紺整会 船橋整形外科 市川クリニック

抄録

<p>【目的】 デスクワークに従事する労働者は、長時間の座位姿勢保持が必要とされ腰痛のリスクを高める。腰痛を有する症例の脊柱・骨盤アライメント不良や股関節可動域低下に関しては様々な研究で報告されているが、デスクワーカーを対象とした報告は渉猟した限りでは見つからなかった。よって本研究の目的は、デスクワーカーの身体的特徴を可動性と静的アライメントに着目して明らかにすることである。</p><p>【方法】 対象は、当院に通院しデスクワークに従事する症例計53 名(男性:20 名、女性:33 名)、平均(幅)年齢</p><p>48(23-65)歳とした。群分類は、腰痛群、無痛群の2 群とし、腰痛群は罹病期間3 ヶ月以上で神経症状のない症例、無痛群は脊柱疾患以外で通院する症例とした。測定項目は、可動性検査と座位静的アライメント検査とした。可動性検査としては、股関節ROM(屈曲、伸展、股関節90°屈曲位回旋、股関節0°屈曲位回旋)、Straight Leg Raising test、Heel Buttock Distance、体幹回旋ROM、Prone Press Up test、胸郭拡張差(剣状突起高)の測定を行った。座位静的アライメント検査は、骨盤傾斜角と円背指数を測定し、各測定項目について2 群間で比較を行った。統計学的分析はR4.0.2 を使用し、Mann-Whitney のU 検定を有意水準5%未満で行った。</p><p>【倫理的配慮】 本研究はヘルシンキ宣言に基づき、当院倫理委員会の承認を得て実施した。</p><p>【結果】 腰痛群は27 名、平均(幅)年齢48(27-63)歳、無痛群は26 名、平均(幅)年齢49(23-65)歳であった。有意差のあった項目は、胸郭拡張差(P<0.05、r=0.30)であった。その他の検査項目では有意差を認めなかった。</p><p>【考察】 無痛群と比較した腰痛群の身体的特徴として、胸郭可動性が低いことが挙げられた。腰痛を有するデスクワーカーの治療介入には、胸郭レベルの可動性にまで配慮した包括的な介入が必要であると考えられる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390853179620298496
  • NII論文ID
    130008121402
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.40.0_92
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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