O16-2 後足部アライメントと足部内側縦アーチの関連性-体表評価とX 線評価を用いた検討-

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抄録

<p>【目的】下肢運動器疾患の理学療法において後足部のアライメント評価は重要である。後足部のアライメント評価には体表評価とX 線評価があるが、各評価方法と他の身体所見の関連を示した報告は少ない。今回内側縦アーチの評価を用いて各後足部アライメント評価方法との相関を比較することとした。</p><p>【方法】対象は足部に重度の既往がない健常成人男女15 名(30±8.6 歳)とした。体表評価はLeg Heel Angle(LHA) を腹臥位における距骨下関節中間位と安静立位でゴニオメーターを使用して計測した。X 線評価はTanaka(1995)の方法を用い、被験者を両側荷重位とし、管球は水平より30°下方に向けて後前方向にX 線画像を撮影した。撮影画像を元に脛骨-後方距骨下関節面角(TPC)と脛骨-中部距骨下関節面角(TMC)を計測した。内側縦アーチの評価はBrody(1982)の方法に従ってNavicular Drop Test を行い、安静立位と立位距骨下関節中間位の舟状骨高の差を算出した(ND 値)。統計解析として中間位LHA、安静立位LHA、TPC、TMC とND 値の相関関係をピアソンの相関係数を用いて検定した。</p><p>【倫理的配慮】本計測はヘルシンキ宣言に則り行った。また、計測に伴って生じるリスクについて事前に説明をし、口頭による同意を得た。</p><p>【結果】安静立位LHA とND 値の間に有意な相関が認められ、安静立位LHA が回内位になる程ND 値が増加する結果となった(r=0.60,p<0.05)。他の項目とND 値の間に有意な相関は認められなかった。</p><p>【考察】安静立位LHA とND 値の間に相関が認められ、回内足の理学療法において内側縦アーチと安静立位LHA を関連付けて行うことの重要性が示唆された。今回X 線評価による利点は示されなかったが、他のX 線評価方法の試行や、他の身体所見との相関も調べることでX 線評価の有効性を明らかにできると考えられる。</p>

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  • CRID
    1390853179620300416
  • NII論文ID
    130008121420
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.40.0_87
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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