P11-1 極低出生体重児の脳性麻痺発症を予測する評価の検討

DOI
  • 内尾 優
    東京女子医科大学 リハビリテーション部 東京医療学院大学保健医療学部 リハビリテーション学科
  • 志真 奈緒子
    東京女子医科大学 リハビリテーション部
  • 中村 花穂
    東京女子医科大学 リハビリテーション部
  • 猪飼 哲夫
    東京女子医科大学 リハビリテーション科

Abstract

<p>【目的】極低出生体重児の入院時の周産期因子及び理学療法評価のうち、脳性麻痺発症有無予測に関わる因子を明らかにする。</p><p>【方法】後方視的観察研究。対象は、2010 年4 月~2017 年3 月に当院で出生し、染色体異常・神経筋疾患の合併がある児を除外した極低出生体重児145 名(出生体重1007±303g、在胎期間28.9±3.0 週)とした。対象を、2 歳時点での医師診察による脳性麻痺発症有無で2 群CP-group 14 名、non-CP-group 131 名に分類した。診療録より、入院時の周産期因子(多胎、性別、出生体重、在胎期間、SGA、Apgar Score、頭部超音波検査でのIVH 及びPVE のグレード、ROP、挿管期間、RDS、CLD、敗血症、症候性動脈管開存症、動脈管結紮術)、Dubowitz 神経学的評価を調査した。Dubowitz 神経学的評価は理学療法士が修正37~42 週で評価し、項目毎に点数を求めた。統計解析は、周産期因子、Dubowitz 神経学的評価を対応のないt 検定、Fisher 直接確立検定、Mann-Whitney のU 検定のいずれかを用いて2 群間で比較した。その後、単変量解析で有意であった項目を独立変数、脳性麻痺発症有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った。有意水準は5%とした。</p><p>【倫理的配慮】本研究は当院倫理委員会の承認を得たのちに、情報公開用文書を大学ホームページに公開し拒否権を保証した(オプトアウト)うえで行った。</p><p>【結果】単変量解析において、出生体重、在胎期間、Apgar Score、IVH、ROP、挿管期間、敗血症、Dubowitz 神経学的評価の下位項目のうちMovement が2 群間で有意差を認めた。ロジスティック回帰分析ではIVH のみが採択された。</p><p>【考察】在胎期間の短い早産児は、脳室内出血による脳性麻痺発症頻度が高いことから、ロジスティック回帰分析において入院時のIVH が採択されたと考えられた。</p><p>【結論】極低出生体重児における2 歳時点での脳性麻痺発症有無を予測するために、入院時の頭部超音波検査でのIVH を考慮することが有用である。</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390853179620655232
  • NII Article ID
    130008121346
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.40.0_175
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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