人間ドックで測定したCA19-9により検出された膵鉤部がんの4例

  • 矢島 義昭
    黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 内科
  • 松本 健
    黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 内科
  • 石井 秀和
    黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 内科
  • 斎藤 雄大
    黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 検査部
  • 吉田 沙也香
    黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 検査部
  • 佐藤 武敏
    黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 検査部
  • 見田 尊
    黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 放射線部
  • 井戸谷 恵
    黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 健診部
  • 黒澤 功
    黒沢病院附属ヘルスパーククリニック 泌尿器科
  • 細内 康男
    済生会前橋病院 外科・腹腔鏡外科

書誌事項

タイトル別名
  • Four Cases of Uncinate Process Cancer of Pancreas Detected by Measuring Serum Carbohydrate Antigen 19-9 (CA19-9) in Opportunistic Screening
  • ニンゲン ドック デ ソクテイ シタ CA19-9 ニ ヨリ ケンシュツ サレタ スイコウブ ガン ノ 4レイ

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抄録

<p> 切除可能と考えられる病期の4例の膵鉤部がんが当院の人間ドックで検出された.膵鉤部の腫瘤は健診時の超音波検査(ultrasound: US)では検出できず,CA19-9の上昇より造影CTで検出された.男性3例,女性1例,年齢は53~64歳であった.健診時のCA19-9はそれぞれ165,66,111,43U/mLであった.腫瘍径はそれぞれ15,25,30,20mmであった.全例において腫瘍は上腸間膜静脈(superior mesenteric vein: SMV)に接しており,特に症例2,3においては180度以下ではあるが,広範に接していた.症例2,3はハイボリュームセンターではない施設に紹介されたが,SMV浸潤のために切除に至らなかった.一方,ハイボリュームセンターへ紹介された症例1,4に関しては術前補助化学療法が施行され,ypStage IIAであった.症例2ではmagnetic resonance cholangiopancreatography(MRCP)で膵尾部に分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm: IPMN)が併存していた.症例3は健診より5ヵ月後に閉塞性黄疸となって受診したが,CA19-9は約5倍に上昇していた.症例4は1年前の健診時にCA19-9の上昇を指摘されていたが,受診しなかった.翌年の健診ではCA19-9は約30倍に上昇していた.複数の小さな分枝型IPMNがMRCPで指摘されたが,健診時のUSでは描出できなかった.今回提示した膵がんはCA19-9の測定なくしては診断できなかったので,人間ドックにおけるCA19-9測定の有用性が示された.</p>

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