心アミロイドーシスにおける予後予測因子の後方視的検討

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タイトル別名
  • Prognostic factors in light-chain cardiac amyloidosis: a retrospective analysis
  • シン アミロイドーシス ニ オケル ヨゴ ヨソク インシ ノ コウホウ シテキ ケントウ

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説明

<p>ALアミロイドーシスの中でも,特に心アミロイドーシスは予後不良であることが知られているが,他臓器病変や全身状態を加味した予後指標として確立されたものは少ない。2012年1月~2019年11月に当院で診断したALアミロイドーシス27症例について後方視的に検討した。心病変を有する群では3年全生存率は20%(95%CI, 0.035~0.461)であり,心病変を有しない群85.7%(95%CI, 0.334~0.979)と比較して予後不良であった(p=0.021)。ALアミロイドーシスの予後不良因子として,左室駆出率<60%以下,Hb<10 g/dl, NTproBNP>1,800 pg/ml, BNP>400 pg/ml, dFLC>180 mg/l, NYHA≥3, Mayo staging IV,心アミロイドが挙げられた。また,半年以内に死亡した早期死亡4例を検討したところ,全例が心アミロイドーシスで,Mayo分類2012のIV期であり,4例全例が化学療法を十分施行できず死亡した。ALアミロイドーシスの治療選択肢は今後も増えていくことが予想されるが,予後不良因子を有する患者の予後は悪く,慎重な治療方針決定が必要である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 62 (11), 1576-1582, 2021

    一般社団法人 日本血液学会

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