児童心理治療施設職員における知識や技能および入所児養育への効力感の従事経験年数による比較検討

DOI Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • A comparative study of knowledge, skills and efficacy of fostering for enrolled children of workers at psychological treatment institutions for children according to the number of years of service

この論文をさがす

説明

<p>本邦の社会的養護は約8割が施設環境にて行われており,入所児の背景は非常に複雑で,養育は困難を極めるため,職務遂行への効力感を良好に保つことが困難であり,職員が早期離職していることが報告されている。職員の早期離職は,入所児の状態改善を阻害し得るため,職員の職務遂行への効力感を良好に維持する支援を行う必要がある。本研究では,職員の入所児養育への効力感の向上に必要な知識や技能の検討を行うため,初任者と非初任者の比較を行った。</p><p>本研究では,社会的養護施設のうち,児童心理治療施設を対象に質問紙調査を行った。調査協力者は,全国16の児童心理治療施設職員263名であり,初任者群(勤続5年未満)162名,非初任者群(勤続5年以上)101名であった。群を独立変数,入所児の示す症状に関する知識,養育行動,認知の歪み,入所児養育への効力感を従属変数としたt検定を行った。その結果,非初任者群では入所児養育への効力感が高く,さらに入所児の示す症状やその対応に関する知識が豊富であることが示された。一方,認知の歪みに関しては初任者で有意に高く,知識やスキルだけでなく,認知面への介入も有効である可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ