擬人化方略と記憶高進

書誌事項

タイトル別名
  • An effect of Personification to memorize on the hypermnesia phenomen

この論文をさがす

抄録

<p>本研究では,学習項目を擬人化して記憶することが記憶高進に与える影響を検討した。大学生12名の協力を得て,小川・稲村(1974)の36熟語を用いて実験を行った。熟語の読み方を作文する読み方条件,熟語を用いた短い物語を作成する物語条件,その熟語を人間に見立てて短い物語を作成する擬人化条件にそれぞれ12熟語ずつ割り振り,参加者に各条件にそった作文を行わせた後,ディストラクターとして迷路課題をお願いした。その後,自由記述式の記憶テストを3分間,3回繰り返した。二要因実験参加者内分散分析とLSD法の結果,交互作用はなく(F(4, 44)<1),擬人化条件の記憶成績が最もよく,物語条件,読み方条件の順に記憶成績が低いことが示された(F(2, 22)=9.54, p<.01; Mse=4.62, p<.05)。また,記憶高進も生じており,1回目より2回目,2回目より3回目の方が記憶成績が良かった(F(2, 22)=12.22, p<.05; Mse=.28, p<.05)。つまり本研究の結果,擬人化方略は,他の方略よりも大きな記憶高進をもたらすことが示された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ