ポジティブ感情は死亡と疾患に影響するか?―19年間の縦断研究―

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  • Does positive affect influence mortality and morbidity? A 19-year longitudinal study

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<p>本研究では,ポジティブ感情が死亡と疾患罹患を予測するか検討することを目的とした。NILS-LSA第1次調査参加時をベースラインとし,19年間追跡したデータを用いた。説明変数はポジティブ感情(CES-D抑うつ尺度下位尺度),目的変数は全死亡,死因別死亡(循環器疾患[心疾患・脳血管疾患],がん),疾患罹患(心疾患,脳血管疾患,がん,糖尿病,高血圧),統制変数はネガティブ感情,年齢,性別,教育歴,婚姻状況,既往歴(前述の5疾患),握力,歩行速度,主観的健康感,飲酒,喫煙,身体活動とした。分析対象者は,全死亡を除き,ベースライン時に各目的変数の疾患に罹患していない者であった(全死亡:N=2,033;40-80歳;女性49.5%)。Cox比例ハザード回帰分析を行った結果,ポジティブ感情は死亡と疾患罹患を予測しなかった。人口学的変数(年齢,性別,教育歴)がポジティブ感情と健康の関連を調整するか検討した結果,男性では,ポジティブ感情が1標準偏差高いとがん罹患リスクが低かった(ハザード比=0.55, 95%信頼区間: 0.38-0.80)。ポジティブ感情は,特定の状況や健康指標でのみ,有益な効果を有することが示唆された。今後,これらの機序を精緻に検討すべきである。</p>

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