急激な経過を辿り,死後に気管・気管支アミロイドーシスが判明した1例

DOI
  • 山口 美保
    東京都立多摩総合医療センター呼吸器・腫瘍内科
  • 塚田 梓
    東京都立多摩総合医療センター呼吸器・腫瘍内科
  • 山本 美暁
    東京都立多摩総合医療センター呼吸器・腫瘍内科
  • 小林 健
    東京都立多摩総合医療センター呼吸器・腫瘍内科
  • 村田 研吾
    東京都立多摩総合医療センター呼吸器・腫瘍内科
  • 和田 曉彦
    東京都立多摩総合医療センター呼吸器・腫瘍内科
  • 高森 幹雄
    東京都立多摩総合医療センター呼吸器・腫瘍内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Tracheal and Bronchial Amyloidosis with a Rapid Course

この論文をさがす

抄録

<p>背景.気管・気管支アミロイドーシスは稀な疾患であり,症状も非特異的であるため鑑別に苦慮することも多い.症例.80歳代男性.2日前からの食欲低下,歩行困難で当院を受診した.胸部CTでは気腫性変化と左上葉の浸潤影を認めた.細菌性肺炎として抗菌薬を開始したが,発熱があり,呼吸状態が改善しなかった.入院前の食事摂取でむせ込みはなかった.頭部画像検査で有意な病的所見を認めなかった.急激な左無気肺を呈したため気管支鏡検査を施行すると,右声帯麻痺があり,気管・気管支には膿性痰を大量に認めた.また,中・下部気管,左右気管支には扁平な隆起性病変が複数あり,気管・左第2気管分岐部で各々生検を施行した.その後も全身状態は改善せず,第18病日で永眠された.死後,気管・気管支生検の結果でAL(κ)アミロイドーシスが判明した.結論.比較的急激な経過を辿った気管・気管支アミロイドーシスの症例を経験した.本症の嗄声合併が報告されており,声帯麻痺による誤嚥が難治性肺炎,無気肺を引き起こした可能性が考えられた.誤嚥性肺炎の鑑別に気管・気管支アミロイドーシスを挙げる必要があり報告する.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 43 (6), 583-588, 2021-11-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ