アクセス困難な血栓回収症例における総頚動脈直接穿刺の有用性

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タイトル別名
  • Usefulness of Direct Carotid Artery Puncture in Difficult-to-access Endovascular Thrombectomy Cases
  • アクセス コンナン ナ ケッセン カイシュウ ショウレイ ニ オケル ソウ ケイドウミャク チョクセツ センシ ノ ユウヨウセイ

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説明

<p>【目的】血栓回収術は一般的に大腿動脈からのアプローチで行うが,アクセス困難で治療できない場合もある.その際には頚動脈直接穿刺が有効である.われわれの頚動脈直接穿刺による血栓回収療法の経験を報告する.【症例】2017 年 1 月から 2020 年 12 月の間,当施設における 174 件の血栓回収術症例において,大腿動脈からアプローチが困難で手技中に頚動脈直接穿刺法に変更した3 例を対象とした.静脈麻酔下で事前に気管挿管し,頚部を軽く後屈させ総頚動脈を穿刺し,6Fr スーパーシースを挿入し,吸引カテーテル,stent retriever により治療した.治療後はシース抜去し,20 分以上用手的圧迫を行い止血した.3 例に施行し,対象年齢は 100 歳,86 歳,100 歳,閉塞部は中大脳動脈 M1 閉塞 2 例,前大脳動脈 A1-A2 分岐部 1 例で,再開通はそれぞれTICI 分類 3,0,3 であった.合併症は 1 例で穿刺部の血腫を認めたが,挿管により気道圧迫は防止できた.転帰はそれぞれ mRS で 2,4,4 であった.【結論】血栓回収術において,大腿動脈からのアプローチが困難な場合に頚動脈直接穿刺が有効である可能性がある.</p>

収録刊行物

  • 脳血管内治療

    脳血管内治療 6 (4), 219-226, 2021

    一般社団法人 日本脳神経血管内治療学会

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