急性期頚髄損傷における嚥下障害と呼吸障害の経時的変化と相関関係

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  • Correlation and change over time between dysphagia and respiratory dysfunction in acute cervical spine cord injury

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抄録

<p>はじめに:頚髄損傷の重要な合併症の1つに嚥下障害があるが,その発生機序は十分に分かっておらず,頚髄損傷後の呼吸障害と嚥下障害の関係を調査した報告はない.本研究の目的は,頚髄損傷による呼吸機能障害が嚥下機能に及ぼす影響を明らかにすることである.</p><p>対象と方法:2018年8月から2020年7月までの2年間のうちに,受傷後2週以内に急性頚髄損傷で当院に入院した患者を前向きに評価した.嚥下機能は嚥下障害臨床重症度分類(1:唾液誤嚥~7:正常)とFunctional Oral Intake Scale(FOIS,1:経口摂取なし~7:正常)で,呼吸機能は咳嗽時最大呼気流量・1秒量・1秒率・%肺活量を2・4・8・12週で評価し,経時的変化と相関関係を解析した.</p><p>結果:症例数は33例(男性28例,女性5例,平均年齢67歳)であった.経時的変化として,嚥下障害と呼吸障害は有意に改善していた.咳嗽時最大呼気流量,1秒量,%肺活量は各時期において嚥下機能の重症度に有意な相関関係を認めた.</p><p>結語:呼吸障害と嚥下障害は密接に関係しており,特に咳嗽力の評価は嚥下障害の評価にも重要な役割を果たすと思われる.</p>

収録刊行物

  • Journal of Spine Research

    Journal of Spine Research 12 (12), 1367-1371, 2021-12-20

    一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会

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