農業分野における気候変動影響と適応策:2020年茨城県14市町農家アンケート調査

  • 田村 誠
    茨城大学 地球・地域環境共創機構/日越大学大学院気候変動・開発プログラム
  • 内山 治男
    茨城生物の会
  • 今井 葉子
    東京大学 大学院工学系研究科都市工学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • CLIMATE CHANGE IMPACTS AND ADAPTATIONS IN THE AGRICULTURAL SECTOR: 2020 SURVEY OF FARMERS’ PERCEPTIONS IN 14 CITIES AND TOWNS, IBARAKI

抄録

<p> 本稿は,2020年12月に茨城県14市町4,275件の認定農業者を対象に実施したアンケート調査から,農業分野における気候変動影響と適応策の現状と課題を議論した.その際には,空間情報解析と統計解析を組み合わせて考察した.</p><p> 調査の結果,9割以上の農家が収量低下,生育不良,病虫害などの天候被害の経験を有しており,その要因に高温,多雨等を挙げていた.実践中の適応策には農薬・防除,栽培品種の変更,水やりの工夫等の順に回答が多く,将来的な適応策には栽培品種の変更,栽培時期の変更,水やりの工夫,作物転換も視野に入れた回答が見られた.既に多くの適応策を実践している様子も窺えた.さらに,こうした適応実践には被害経験,気候変動の実感,適応の認知等の複数要因が関与していることが明らかとなった.</p>

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参考文献 (4)*注記

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