胃全摘術後の食道空腸吻合部静脈瘤出血の3例

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タイトル別名
  • Three cases of esophagojejunal anastomotic varices after total gastrectomy
  • 症例報告 胃全摘術後の食道空腸吻合部静脈瘤出血の3例
  • ショウレイ ホウコク イ ゼンテキジュツゴ ノ ショクドウ クウチョウ フンゴウブ ジョウミャクリュウ シュッケツ ノ 3レイ

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抄録

<p>胃全摘術後の食道空腸吻合部静脈瘤は,報告例も少なく,適切な治療法は確立されていない.症例1は,内視鏡にて吻合部食道側からの出血が疑われたが,活動性出血はなく,血管造影および経皮経肝門脈造影を施行して,第一空腸静脈が供血路で,奇静脈が排血路であることを確認した.症例2も内視鏡にて吻合部空腸側からの出血が疑われ,供血路は第一空腸静脈で,排血路は奇静脈,半奇静脈,肋間静脈など多数存在していた.いずれもバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)は困難であったため,まず経皮経肝門脈塞栓術を施行し,数日後に内視鏡的硬化療法(EIS)を追加した.症例3は心房細動でワーファリンを服用しており,EISのみを施行した.これまで胃全摘後の吻合部静脈瘤にPTOとEISを併用した報告はなかったが,今回併用した2症例では,いずれも2年半と5年3か月の時点で吻合部静脈瘤の再発を認めておらず,長期的に見ても有用な可能性がある。</p>

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