口腔内の感受性評価と咬合力維持タスク中における前頭前野の血流量との関連

DOI
  • 後藤 崇晴
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野
  • 市川 哲雄
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between oral susceptibility assessment and prefrontal cortex blood flow during occlusal force maintenance tasks

この論文をさがす

説明

<p>本研究では,歯根膜の触・圧覚への感覚刺激と前頭前野の活動の関連性を明らかにすることを目的とした.健常有歯顎を有する若年者11名を対象とし,対象歯は,上下顎左側中切歯および第一大臼歯とした.歯根膜触・圧覚の測定にはvon Freyの刺激毛を用いた.精神物理学的手法として,マグニチュード推定法を用い,Stevensのべき法則より歯根膜触・圧覚感受性値を算出した.前頭前野の血流量の測定には,ウェアラブル光トポグラフィーを用い,実験タスクとして,咬合力維持タスクを設定した.歯根膜触・圧覚の刺激物理量と感覚量の対数値はほぼ直線の関係を示し,有意に高い相関係数を示した.歯根膜触・圧覚感受性値に関しては,前歯と臼歯の間で有意な差は認められなかった.臼歯においてはすべての測定野で感受性値と血流の変化量との間に負の相関関係が認められた.また咬合力に関しては,臼歯のほうが前歯と比較し,有意に低い値を示した.以上の結果より,歯根膜触・圧覚において「Stevensのべき法則」が適用できることが示され,臼歯においてはその法則から導き出される感受性値が,前頭前野の血流量と咬合力の抑制に関連することが示され,咬合力維持というタスクにおける感受性値の部位特異的な重要性が示唆された.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ