訪問看護師が撮影した直腸エコー動画に対するAI による便貯留評価手法の考案

DOI オープンアクセス
  • 松本 勝
    東京大学大学院医学系研究科社会連携講座イメージング看護学
  • 石橋 昂大
    東京大学医学部健康総合科学科
  • 北村 言
    東京大学大学院医学系研究科老年看護学/創傷看護学分野
  • 玉井 奈緒
    東京大学大学院医学系研究科社会連携講座イメージング看護学 東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター
  • 三浦 由佳
    東京大学大学院医学系研究科社会連携講座イメージング看護学
  • 高橋 聡明
    東京大学大学院医学系研究科老年看護学/創傷看護学分野
  • 東村 志保
    東京大学大学院医学系研究科老年看護学/創傷看護学分野
  • 仲上 豪二朗
    東京大学大学院医学系研究科老年看護学/創傷看護学分野 東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター
  • 真田 弘美
    東京大学大学院医学系研究科老年看護学/創傷看護学分野 東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of AI-based fecal retention assessment method for rectal ultrasonography videos taken by home-visit nurses

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説明

訪問看護師が撮影した直腸エコー動画を用いて,既存のArtificial Intelligenceに基づく読影支援アプリケーションによる便貯留評価をより高い精度で行うことのできる手法の考案を目的とした.訪問看護ステーション1施設の診療記録を対象とし,撮影された直腸エコー動画から静止画を出力した.各静止画に対し,エコーのエキスパートによる読影,および直腸便貯留を示す高エコー域を抽出しカラー表示するアプリケーションによる便貯留の有無の判定を行った.前者を正解とし,アプリケーションの判定精度を評価した.アプリケーションの判定で偽陽性であった画像において,直腸以外の便やガスの貯留と区別するために抽出領域の深度が体表面から50 mm 未満であった画像,さらに,便貯留以外の高エコー域と区別するために長径が14.5 mm未満となる抽出領域を除外したところ,感度81.1%,特異度87.8%,正解率83.7 であった.アプリケーションの判定精度を高めるための手段として,抽出領域の深度および長径を調整する手法が考案された.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br>  研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→訪問看護では便秘,具体的には大腸便貯留のアセスメントに難渋しており,超音波検査(エコー)による便の可視化が有用である.先行研究より,便秘をアセスメントするうえでは特に直腸の観察が重要であることが明らかになっ ている.エコーの撮影技術は教育プログラムで解決できるものの,画像の読影のむずかしさに対する解決策は立っていなかったため,今回の研究に着手した.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ 簡便で迅速・正確な大腸便貯留観察と便秘のアセスメントにつながる.看護師だけでなく将来的には介護職,家族,患者など,誰もが便秘の評価に使えるような技術になることが期待される.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→ 現時点ではパソコンあるいはスマーフォン上で起動するアプリケーションのため,今回の研究のような機能を搭載した携帯型エコー装置が開発されることが期待される.

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