自律型無人ヘリコプターを用いた火山空中磁気測量

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タイトル別名
  • Aeromagnetic survey in volcanoes by using autonomous-driven unmanned helicopter
  • ジリツガタ ムジン ヘリコプター オ モチイタ カザン クウチュウ ジキ ソクリョウ

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抄録

<p> 無人飛翔体は被災するおそれのある危険地域へ人が入域することなく各種測定を実施することを可能とするため,今世紀に入ってから特に着目され,現在までに多様な火山観測項目に利用されている。その中で自律型無人ヘリコプターは,高い位置精度で事前にプログラミングした航路に沿ってフライトすることが可能になるため,たとえば対地高度や測線間隔を一定に保つなど理想的な測線を組むことが可能になることに加えて,時間間隔をおいて同一の測線に沿って繰り返し観測を実施することで同一地点での観測量の時間変化を捉えることが可能となる。そのため,火山体での空中磁気測量を自律型無人ヘリコプターを用いて実施することにより,複雑な地形上でも均質な空間解像度の磁場測定を可能にし,また,複数回繰り返し行うことで噴火準備過程などの火山活動に伴う磁場の長期的な時間変化を検出することができる。伊豆大島三原山では対地高度および測線間隔を平均50 mとした稠密な空中磁気測量を実施し,過去に噴出せず地下で固化したと考えられる高磁化の領域が中央火口丘周辺に確認された。霧島新燃岳では2011年噴火活動以降繰り返し空中磁気測量を実施することにより,火口内に滞留した溶岩が冷却帯磁により時間を追って磁化を獲得していく様子を明瞭に検出することができた。ここ数年は電動式マルチコプターの開発およびその利用がめざましく,今後も無人飛翔体による火山観測のさらなる発展が期待される。</p>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 74 (0), 115-122, 2021

    社団法人 物理探査学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (9)*注記

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