付加的呼称詞「さん」「くん」の使用とジェンダー中立性
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- 林 みどり
- 中京大学
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- 大島 デイヴィッド義和
- 名古屋大学
書誌事項
- タイトル別名
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- ―実態と規範をめぐって―
説明
<p>付加的呼称詞「くん」はもっぱら男性に対して用いられるのに対し、「さん」は対象の性別を問わず用いられる。たとえば大学教員が女子学生を「さん付け」、男子学生を「くん付け」するなど、同様の対人関係にある人物に対して性別に応じて「さん」「くん」を使い分けることはよく見られる。近年、ジェンダー中立性・包括性への意識が高まるなか、このような慣行を好ましくないとみなす言説が散見される。本稿では、指示対象の性別に応じた呼称詞の使い分けに関する実態調査と意識調査の結果を報告し、現状の分析を行う。「性別に応じて呼称詞を使い分けることが場面によっては問題になりうる」という意見が存在することを「認知」している回答者が40%を上回った一方、これに「賛同」する意見の者は20%を下回った。この結果は、現状では同意見が広く受容されているとはいえないことを示唆している。</p>
収録刊行物
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- ことば
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ことば 42 (0), 72-89, 2021-12-31
現代日本語研究会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390853520459951232
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- NII論文ID
- 130008138432
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- ISSN
- 24242098
- 03894878
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可