心臓病の患者のメンタルヘルス

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タイトル別名
  • Mental Health of Patients with Heart Disease
  • シンゾウビョウ ノ カンジャ ノ メンタル ヘルス

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抄録

<p>心臓病の患者のメンタルヘルスについて,うつ(depression,うつ状態と大うつ病性障害)の観点から,冠動脈疾患,心不全,心筋症と不整脈の領域での研究の到達点を概説した.心臓病の患者はうつを高頻度に併発し,併発すると生命予後が悪化する.両者の間には,行動特性とともに,自律神経機能,血小板凝集能亢進,血管内皮機能不全や炎症などの生物学的な要因が介在していると考えられている.2008年にアメリカ心臓協会は,うつのアセスメントを推奨するガイドラインを発表している.抗うつ薬,精神・心理的介入や運動療法には,一定の効果が確認されているが,心臓病の生命予後への影響は限定的である.両専門医の間にケアマネジャーを介在させて患者の意向を取り入れながら段階的に治療強度を高める方法が,うつと生命予後の改善効果があることが示されている.うつのモニタリングと段階的治療の要素の導入が求められる.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 62 (1), 37-44, 2022

    一般社団法人 日本心身医学会

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