システマティックレビューとメタアナリシスを用いた大学生の不眠症状に対する支援方法の有効性の検証

  • 高野 裕太
    福山大学人間文化学部心理学科 北海道医療大学大学院心理科学研究科
  • 武田 知也
    福山大学人間文化学部心理学科
  • 坂野 雄二
    医療法人社団五稜会病院札幌CBT & EAPセンター
  • 中野 倫仁
    北海道医療大学心理科学部臨床心理学科

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Interventions on Insomnia Symptoms in University Students Using a Systematic Review and Meta-analysis
  • システマティックレビュー ト メタアナリシス オ モチイタ ダイガクセイ ノ フミン ショウジョウ ニ タイスル シエン ホウホウ ノ ユウコウセイ ノ ケンショウ

この論文をさがす

説明

<p>本研究の目的は,大学生の不眠症状に対して実施されている支援方法を整理し,各支援方法における不眠症状の改善効果をメタアナリシスで明らかにすることであった.文献検索にはPubMed,PsycINFO,CiNii,メディカルオンラインを使用し,989編の文献を抽出した.7件の研究をシステマティックレビューの対象とし,6件の研究でメタアナリシスを行った.その結果,大学生の不眠症状に対しては,不眠症に対する認知行動療法,睡眠衛生指導,cognitive refocus treatmentが実施されていた.不眠症に対する認知行動療法では不眠症状が有意に改善した(Hedges’ g=−0.78).一方で,睡眠衛生指導では不眠症状が有意に改善しなかった(Hedges’ g=−0.21).Cognitive refocus treatmentではメタアナリシスは実施できなかった.本研究の結果,不眠症に対する認知行動療法は有効性が確認され,支援の提供形態についての議論もなされた.睡眠衛生指導は重症度別における実施,cognitive refocus treatmentは複数の無作為化比較試験での追試の必要性が示された.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 62 (1), 18-27, 2022

    一般社団法人 日本心身医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ