日本経済と名古屋大学経済学部の接点

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タイトル別名
  • Interactions between the School of Economics Nagoya University and Japanese Society
  • ニホン ケイザイ ト ナゴヤ ダイガク ケイザイガクブ ノ セッテン

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説明

本稿では名古屋大学経済学部とその前身である名古屋高等商業学校に焦点をあて、この学部がどのような建学理念と教育者によって、どのような人材を生み出そうとしてきたのかについて概括的な検討を試みている。高等教育機関の意味と内容が問い直されている現在、80年以上も昔の教育者がどのような姿勢で経済学や経営学に取り組んできたのかを検討することが、これほど新鮮だとは思わなかった。欧米の有名ビジネススクールでは、組織の最高責任者がもっとも重要な基礎科目として倫理観や世界観についての授業を持つことが珍しくない。そうした常識がこの学部の創設の時期に堅実に守られていたことは驚きであった。そしてまた、教育者と学生との熱意と責任感の篤いこと。近代組織の基本的な前提を考え、近代経営や市場取引の人間的な基礎を考え直す上で、意外な考察の契機を掴んだような気持ちでいる。もちろん、対象の篤さや鮮烈さがどの程度客観的に捉えられたのかについての自信は全くない。俄仕立ての報告書が、各位による異質の知的地平への経路を開いてくれることを期待するだけである。

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