ヤスパースの全体主義批判における人間の尊厳について:ハンナ・アーレント『全体主義の起源』との関連において

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タイトル別名
  • Human Dignity in Jaspers' Criticism of Totalitarianism: In Relation to Hannah Arendt's "The Origins of Totalitarianism"
  • ヤスパース ノ ゼンタイ シュギ ヒハン ニ オケル ニンゲン ノ ソンゲン ニ ツイテ : ハンナ ・ アーレント 『 ゼンタイ シュギ ノ キゲン 』 ト ノ カンレン ニ オイテ

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抄録

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本稿では,ヤスパースの全体主義批判について考察し,その中に見られる人間の尊厳について探っていく.まず,ヤスパースの『罪の問題』(1946)において,ヒトラー政権の罪状への批判を見ていく.次に,米ソ冷戦体制下で執筆された『原子爆弾と人間の将来』(1958)における全体主義批判について見ていく.また,アーレントによる全体主義の成立過程と機構に対する分析と解明,そして批判についてその要点を考察する.ヤスパースとアーレントに共通な考え方は,人間の尊厳を樹立し守る基盤は,理性による自由に根拠づけられた道徳的生活にあり,それは政治的自由の保障によってもたらされることである.それゆえ本稿の目的は,ヤスパースの全体主義批判の意味を考察し,アーレントの全体主義批判の要点を理解するとともに,人間の尊厳を樹立し,それを保障する政治体制は,全体主義を否定する自由な民主主義体制であることを明らかにすることにある.

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