<論説>一八世紀フランスにおける沿岸貿易船の船長たち (特集 : 海)

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タイトル別名
  • <Articles>Shipmasters of the Cabotage in Eighteenth-century France (Special Issue : SEA)
  • 一八世紀フランスにおける沿岸貿易船の船長たち
  • イチハチセイキ フランス ニ オケル エンガン ボウエキセン ノ センチョウ タチ

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抄録

一六八一年『海事王令』とそれに続く諸王令は、「遠隔地への航海」「大沿岸貿易」「小沿岸貿易」という「航海のカテゴリ」を設定した。沿岸貿易船長は、国家の定める試験を経て船長資格を取得し、海運業を営んだ。ボルドーのような大海港都市の船乗りは専ら「遠隔地への航海」カテゴリの船長を志望し、沿岸貿易船長を志望したのはブライ、アルカションのような比較的小規模な港の船乗りだった。家族資本とローカルなつながりによる運営が沿岸貿易の基本であり、船長の活動は、彼らの出身地あるいは居住地との深いつながりによって規定された。船の所有は家族や地元資本で行われ、船員のリクルートではまず家族が優先され、次に同じ教区出身者が船員として雇われた。船長たちの活動海域には、船長の地元の経済活動や家族的伝統が反映され、出身地域ごとの緩やかな「棲み分け」が存在していた。

収録刊行物

  • 史林

    史林 100 (1), 3-39, 2017-01-31

    史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)

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