フェストロリウム新品種「イカロス」の育成とその特性

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タイトル別名
  • Breeding of a New Festulolium Cultivar, "Icarus"
  • フェストロリウム シン ヒンシュ 「 イカロス 」 ノ イクセイ ト ソノ トクセイ

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抄録

「イカロス」は、寒冷地の中標高草地で利用することを目的に、既存品種から選抜したフェストロリウム(x Festulolium Aschers. et Graebn)の新品種である。東北農業研究センターを主体に雪印種苗(株)と共同研究によって育成し、2010年10月27日に品種登録申請を行った。先に品種登録した「東北1号」と比較して、育成地における年間乾物収量は年間4回刈り取りで同等かやや低く、年間5~8回の多回刈りでは同等かやや高く、既存の市販品種「バーフェスト」よりも4~9%多収である。「イカロス」の出穂始期は「バーフェスト」と同時期である。出穂期草丈、無芒個体率、および根の蛍光反応率などは、「東北1号」と「バーフェスト」の中間の特性を示す。通常の採草条件では、冬期の連続積雪期間が120日程度までの地域で越冬に支障ない。夏期が高温となる温暖地等では越夏後の衰退が著しく、多年利用は難しい。北東北における越冬性は「東北1号」よりも優れる。本品種は、東北地域など寒冷地の中標高の採草または放牧用として普及が見込まれる。

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