山崎闇斎の神道説について

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タイトル別名
  • Yamazaki Ansai’s(山崎闇斎) Shintoism
  • ヤマザキヤミサイ ノ シントウセツ ニ ツイテ
  • Yamazaki Ansai’s(山崎闇斎) Shintoism

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説明

山崎闇斎の学問は最終的には神道に帰着する.その学問の出発点が朱子学であったというところが闇斎の日本学に大きな影響を与えたと言ってよい.闇斎の垂加神道は近世に於ける諸種の神道説の中でも極めて特殊な地位を占めている.この垂加神道は,朱子学すなわち宋学に於ける理気説の要素があり,寧ろ朱子学の基底の上に構想されたものと言える. とくに闇斎の垂加神道と称される思想を理解するために,学問的な理論としての「土金伝(つちかねのつたえ)」が重要な手がかりである.闇斎は万物を創造し構成する要素の根元を「土」とみなしている.闇斎はとりわけ「土」を重んじ,さらにそこから生じる「金」と合わせて重視したということが分かる.「土」が万物を創造するということは「土」がそうしたものを内包するということであり,「敬」の概念との共通性を見出している.言葉に表れた音としての調べから発展したイメージ,抽象的概念としてこれを捉えたと推察できる.

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