運動スキルの異なる運動観察中の視線行動

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  • Eye Behavior During Action Observation Differing Model's Skill
  • ウンドウ スキル ノ コトナル ウンドウ カンサツ チュウ ノ シセン コウドウ
  • Eye Behavior During Action Observation Differing Model's Skill

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抄録

本研究は,未習熟な手本の観察が運動学習を促進する背景を検討するために視線行動を分析した.健常成人7名が対象となり,鉄球回し映像における未習熟手本と習熟手本を30秒間観察した.両手本の観察後には実際に鉄球回しを経験するが,その前後に,どちらの手本が有益な手本と思うか質問した.観察中の視線行動は指,鉄球,掌に分けて視線を向けている割合から,未習熟手本と習熟手本の視線行動の違いを検証した.手本の有益性に関しては,選んだ手本の人数を分析した.実験の結果,未習熟手本と習熟手本には視線行動に有意な違いを認めず,鉄球に視線が有意に向いていた.観察後の鉄球回しを行った後は,未習熟手本が有益と答える人数が有意に多かった.本研究結果は,未習熟手本観察による運動学習効果の背景に視線行動は関与しないことを示唆した.また,未習熟手本が有益と考える人数が多いという結果は,未習熟手本には視線行動には表れない観察者と手本のパフォーマンスレベルの類似性が運動イメージ想起を促すことなどの認知的な優位性の存在を示唆した.

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