平成16および17年度の油症検診における血液中ダイオキシン類濃度

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  • Dioxin Concentration in the Blood of Patients Collected during Medical Check-up for Yusho in 2004-2005

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抄録

平成16年度に日本在住の242名の油症患者と74名の未認定者および平成17年度に日本在住の237名の油症患者と114名の未認定者から採取した血液中のPCDDs,PCDFs,およびnon-orthoPCBs濃度を測定し,平成15年度に測定した一般健常人の結果と比較した.平成16および17年度に受診した油症患者の血液中PCDDs,PCDFs,およびnon-ortho PCBsの総toxic equivalents(TEQ) 濃度は,それぞれ126.1および124.2 pg TEQ/g lipidで,その濃度は一般健常人のそれぞれ3.4倍および3.3倍であった.未認定者の場合,総TEQ濃度は,それぞれ一般健常人の0.8倍および1.0倍であった.油症患者の血液中PCDDsおよびnon-ortho PCBs濃度は,ほぼ健常人と同レベルなのに対し,PCDFs濃度は一般健常人のそれぞれ9.8倍(平成16年)および9.5倍(平成17年)高い値を示した.油症患者の血液中PCDFs異性体間で特に高濃度を示す2,3,4,7,8-pentachlorodibenzofuran(2,3,4,7,8-PeCDF)は,健常人のそれぞれ10.6倍(平成16年)および10.2倍(平成17年)高い値を示した.未認定者の2,3,4,7,8-PeCDF 濃度は,健常人のそれぞれ0.9 倍および1.4倍であった.しかしながら,未認定者の中には一般健常人と比較して異常に高い2,3,4,7,8-PenCD 濃度を示す人が数名認められた.これまでに行った追跡調査の結果を基に,2,3,4,7,8-PenCDF濃度を追補した新しい診断基準が平成16年9月29 日に策定され,平成16年度に受診した74名の未認定者のうち7名が,平成17年度も114名の未認定者のうち14名が新たに油症認定者と診定された.

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