木材の応力~ひずみ関係の挙動をとらえる一つの考えかた : 繊維方向の荷重と関連させて

書誌事項

タイトル別名
  • A Concept on Stress-Strain Behaviour of Wood Effect of Compressive Stress Parallel to the Grain
  • 木材の応力~ひずみ関係の挙動をとらえる一つの考えかた--繊維方向の荷重と関連させて〔英文〕
  • モクザイ ノ オウリョク ヒズミ カンケイ ノ キョドウ オ トラエル ヒトツ

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説明

木材は数種類の細胞で構成され,それぞれの細胞には異なった役割りが負わされている.いわゆる繊維は樹木に強さを与え,たとえば針葉樹材の主要構成要素である仮道管は,典型的な強固組織と見なすことができる.一方,木材の力学的性質に関連して,弾性定数や破壊現象が実験的成果として得られてきた.ところが,木材の破壊現象や荷重を受けたときの変形現象を,強固組織の力学的挙動と関連させた研究は極めて少なく,十分な知見が得られていない.以上のようなことを踏まえ,この研究ではスギ(Cryptomeria japonica D.Don) 材を使って,繊維方向に荷重を与えたときの木材の変形とその挙動,仮道管の変形とその挙動を実験的に検討した.その結果,つぎのことが明らかになった.(1)気乾材では,負荷時と除荷時のいずれでも,早材部と晩材部の間で著しく異なる挙動を認めた.すなわち,早材部仮道管壁が低い応力でも塑性的な挙動を示すのに反して,晩材部仮道管壁では木材試験片の破壊直前まで弾性的な挙動が認められた.(2) 飽水材では,早材部と晩材部のいずれの仮道管壁でも,荷重と変形の関係に気乾材ほどの著しい相違を認めなかった.

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