森林活動のための説明板の設計に関する考察 : 計画利用規模と板面および文字の大きさの関係について

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  • Suggestions on the Design of Information Boards for Field Activities : The Number of Observers per Group and the Size of Boards and Letters
  • シンリン カツドウ ノ タメ ノ セツメイバン ノ セッケイ ニ カンスル コ

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抄録

説明板を利用するグループの行動の観察や文字の視認性の調査に基づき,使いやすい説明板の設計指針となる考え方や基準値が提示された.板面全体を見ようとする者が選ぶ視点の位置には一定の傾向があり,説明板に対する適切な視点域を想定できる.調査結果から最もよく選ばれる視距離が板面幅の一次式で表わされ,板面幅(W)に対する適切視点域の面積A=2.W^2が得られた.また説明板利用時の集合密度の調査および人間工学分野での既往成果から利用密度の適正値と限界的な値を想定して,板面幅(W_m〉に対応する適正な利用人員N_1=2.2W^2,および限界的な利用人員N_2=4.2W^2が算定された.ゴシック体やこれに近い文字では,文字の大きさと読み易い距離とはほぼ比例関係にある.調査結果から文字高(H)と視距離との関係についての2つの実用式,読み易い距離L_1=110H,および読める距離L_2=200Hが得られた.これらに板面全体を見るのに適した視距離と板面幅との関係式を組み合わせて,適切な文字の大きさと板面幅との関係を導き,文字高H=0.024Wが提案された.以上により,説明板の機能上の設計寸法は,設置場所の広さと計画意図から設定される同時利用者数とに制約されること,および説明文の文字数は板面のサイズにかかわらずほぼ一定になるべきことが指摘された.

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