ニセアカシア(Robinia pseudoacacia L.)の耐塩性カルスの選抜

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  • Screening of NaCl-Tolerant Robinia pseudoacacia L. Callus through in Vitro Culture
  • ニセアカシア Robinia pseudoacacia L.ノ タイエンセイ

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抄録

ニセアカシアの胚軸からのカルスの誘導,誘導カルスからの不定芽の分化及び不定根の分化に適した培地の組成,ホルモン濃度及び培養環境を検討し,カルス培養系を確立した.すなわち,カルス誘導にはMS(Murashige et al., 1962)培地が最も過しており,2,4-D(2,4-ジクロロフェノキシ酢酸)1μMとBAP(6-ベンジルアミノプリン)10μMを加えた培地で誘導されたカルスの不定芽分化率が高かった.カルスからの不定芽分化には,NAA(α-ナフタレン酢酸)0.1μMとBAP6μMから10μMを組み合わせた培地が適しており,不定根の分化にはIAA(3-インドール酢酸)単独で6μMから9μM加えた培地が適していた.この培養系に基づいて,中国の3産地から採取された種子を類型(無縞,有縞)別にカルスを誘導した.更に誘導されたカルスを,NaClを0.15M,0.20M及び0.25M添加した耐塩性選抜用培地で培養した.その結果,産地間,類型間で耐塩性に差があり,懐仁産無縞類型のカルスで耐塩性が強かった.カルスで得られた耐塩性は,それぞれの実生苗の耐塩性と類似しており,カルスからの耐塩性選抜は有効な手法であると考えられた.

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