スギ林およびマテバシイ林におけるリター遮断量の推定

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タイトル別名
  • Estimation of litter interception in the Cryptomeria japonica and Lithocarpus edulis plantation stand
  • スギバヤシ オヨビ マテバシイリン ニ オケル リター シャダンリョウ ノ スイテイ

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抄録

森林地における林床水分動態を明らかにするため,九州大学農学部附属福岡演習林に植裁された常緑針葉樹のスギ(Cryptomeria japonica)および常緑広葉樹のマテバシイ(Lithocarpus edulis)人工林分を対象として,林床に堆積する落葉・落枝の堆積層(リター層)における雨水遮断特性のモデル化を試みた.このモデルは,各降雨時におけるリター層の雨水遮断特性と降雨後の蒸発特性を再現し,リターの堆積量(L_w)と各降雨時にリター層へ供給される樹冠通過雨量(TF)から,降雨時および降雨後におけるリター層内の含水率の変化を推定するものである.降雨時におけるリター層の雨水遮断特性は,リター層の最大保水容量(S_max)と降雨条件下での遮断容量(L_i)の2つのパラメータで表現され,それぞれ浸水実験および人工降雨装置を用いた散水実験のデータから同定した.降雨後のリター層からの蒸発速度は,小型ライシメータを用いた現地観測データから求めた.本研究で構築したモデルによる推定値は,実際の林地における観測値とよく一致し,各林分におけるリター遮断の特性を良好に再現できることがわかった.

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