管理放棄人工林を主体とする御手洗水試験流域における土壌の性質と水分保持能

書誌事項

タイトル別名
  • Soil properties and moisture retention capacity in the Ochozu Experimental Watershed covered by an unmanaged man-made forest, Kyushu, Japan
  • カンリ ホウキ ジンコウリン オ シュタイ ト スル オチョウズ シケン リュウイキ ニ オケル ドジョウ ノ セイシツ ト スイブン ホジノウ

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抄録

本論文は,九州大学農学部附属演習林福岡演習林内に設置された御手洗水試験流域の土壌の性質と水分特性(透水性と保水性)を報告する.管理放棄されたヒノキ人工林が分布する本流域において,粒径分布,土粒子密度,乾燥密度,間隙率,飽和透水係数を採取した土壌サンプルを用いて計測し,土壌硬度と土層厚の計測を現場で行った.また,現場において土壌の体積含水率と圧力水頭の計測を行い,土壌の保水性を水分特性曲線によって示した.その結果,本流域の土層は40-60cmと浅く,全体的には,飽和に近い段階から排水が開始され,かつ排水が持続的に生じるという団粒もしくは粒状構造の土壌が持つ土壌水分特性を示した.一方で,斜面中腹部から下部の一部の土壌は,土壌がある程度まで乾燥しないと排水が生じず,移動可能な水分が少ないという壁状構造の土壌が持つ土壌水分特性を示した.ヒノキ人工林の林床の裸地化が土壌の物理特性に影響を及ぼしていることが示唆された.

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