シカ害のある流域における土壌の性質と渓流水質

  • 東 直子
    九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門森林生態圏管理学講座
  • 智和 正明
    九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門森林生態圏管理学講座
  • 熊谷 朝臣
    九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門森林生態圏管理学講座
  • 大槻 恭一
    九州大学大学院農学研究院森林資源科学部門森林生態圏管理学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Soil and stream water characteristics of three small basins in Hirono,Shiiba Reserch Forest, Kyushu, Japan : underground vegetation damaged by deer
  • シカガイ ノ アル リュウイキ ニ オケル ドジョウ ノ セイシツ ト ケイリュウ スイシツ

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抄録

本研究では,九州大学農学部附属宮崎演習林内の,シカによる下層植生の食害がある流域における土壌の理化学性と渓流水質について現状を報告する.シカによる下層植生の食害のあるB流域と,シカ害が有り将来的にシカ防除柵による対策を予定しているC流域において不撹乱土壌を採取し,乾燥密度,間隙率,飽和体積含水率,飽和透水性係数といった土壌の物理性を測定した.また,土壌の化学性として土壌pHおよびECを測定した.B流域の方がC流域と比較して土壌の間隙率と土壌ECが高く,植物が水分・養分を利用しやすい土壌であることが示唆された.また,C流域のとくに斜面下部に砂礫が多く堆積していた.シカ害の無いA流域も含め3流域での渓流水質の比較を行ったところ,現段階ではシカ害による林床の状態の違いが渓流水質に顕著な差を生じさせてはいないことが明らかとなった.

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