クレブシエラ肝膿瘍を合併した転移性眼内炎症例

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  • Endophthalmitis with Klebsiella Pneumoniae Liver Abscess

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説明

細菌性眼内炎は稀な疾患であるが, 発症した際には高頻度に敗血症を伴う. 抗生剤の静脈投与にも拘わらず, 血液眼関門のために眼窩内への抗生剤の移行の抵抗性が認められ, 眼科的予後は不良とされている. われわれは肝膿瘍ならびに血管内播種性凝固症候群(DIC)を有した91歳女性の細菌性眼内炎例を経験した. 肝膿瘍穿刺液培養, 血液培養のいずれからもKlebsiella Pneumoniaeが検出され, DICに対する治療と共に肝膿瘍ドレナージ, 抗生剤の静脈投与が開始された. 治療開始3日目より両眼痛が出現し, 4日目には眼球から膿瘍排出を認めた. 膿瘍よりKlebsiella Pneumoniaeが検出され, Klebsiella Pneumoniaeを起炎菌とした転移性細菌性眼内炎と診断した. 眼内炎は急速に進行し, 眼窩内容摘出術を施行した. 本症例から細菌性眼内炎の早期発見の重要性と同時に細菌性眼内炎に対する抗生剤の静脈投与・点眼投与による治療抵抗性があらためて示され, 本疾患に対する硝子体内への抗生剤注入をはじめとした積極的かつ適切な治療法の再考が必要である.

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