腹腔鏡下肝切除における手術手技の工夫と変遷

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  • Technical Evolution of Laparoscopic Hepatic Resection : A Single Institutional Experience

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抄録

【目的】腹腔鏡下肝切除は,未だ発展途上の術式である.今回,当施設における腹腔鏡下肝切除の術式工夫の変遷とその成績を検討した.【方法】2010年4月〜2012年3月までに12 例の腹腔鏡下肝切除:腹腔鏡補助下(Hybirid-LHR)5例,完全腹腔鏡下(Pure-LHR)7例を行った.手術適応はHCC 9例,転移性肝癌3例であった.術式は外側区域切除(n=4:Hybrid-LHR n=2,Pure-LHR n=2),部分切除(n=5:それぞれn=2,n=4),左葉切除(n=1:Hybrid-LHR n=1),右葉切除(n=1:Pure-LHR n=1)であった.Hybrid-LHR5例は腹腔鏡補助下で肝脱転後,小開腹をおきCUSA,ソフト凝固で直視下に通常の肝切離を行った.Pure-LHR7例では完全腹腔鏡にCUSA,腹腔鏡用ソフト凝固,バイクランプを基本デバイスとして用い通常の開腹肝切離と同様に肝切離を行った.【結果】前半5例と後半7例の平均手術時間3.8 時間vs. 6.1時間,出血量220ml vs. 611ml,術後入院日数9.4 日vs. 7.4 日であった.後半の1例に4単位の輸血を要した.肝切離面の癌浸潤は全例陰性であった.術後合併症は1 例も認めなかった.【結論】腹腔鏡下肝切除はあらゆる腫瘍占拠部位に対して可能であり,有効な手術手技である.

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