ABO式血液型の表現型と遺伝子型が不一致であった家族例

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タイトル別名
  • A Familial Case of ABO Phenotype-Genotype Discrepancy

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抄録

[目的]ABO式血液型の表現型と遺伝子型が不一致の家系を見出した.この家系について不一致の原因を究明し,血清学的な裏付けを行った.[対象と方法]家系内の三代にわたる8人を検査の対象とし,ABO式血液型の表現型と遺伝子型に不一致が認められた3人について詳細な遺伝子検査と血清学的検査を行った.[結果]遺伝子型検査でA型の亜型であるAxアリルを検出し,血清学的にAxの存在を確認した.表現型がそれぞれO型,B型であるにもかかわらず遺伝子型がAO型,AB型と判定されたものは実際にはAxO型,AxB型であった.[考察]Axは赤血球表面のA抗原が非常に少なく,血清学的にはOとほぼ同様の反応を示すため,本家系のAxの存在は知られることがなかった.またAxアリルはAアリルとOアリルのハイブリッドアリルであり,一般的な検出法ではAアリルと判定されてしまうため,遺伝子型から表現型を推定する際には注意が必要である.

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