関節リウマチのバイオナイーブおよびスイッチ症例に対するアダリムマブの使用成績 : 実地臨床における2年成績

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Adalimumab Administration in Bio-Naïve and Bio-Switch Rheumatoid Arthritis Patients in Daily Clinical Practice : Two-Year Results from Single Center
  • Effects of Adalimumab Administration in Bio-Naive and Bio-Switch Rheumatoid Arthritis Patients in Daily Clinical Practice : Two-Year Results from Single Center

この論文をさがす

説明

【はじめに】完全ヒト型抗TNF-αモノクローナル抗体のアダリムマブ(ADA)は皮下注射製剤で,外来治療が可能である.本研究では,関節リウマチ(RA)に対するADA の2年間の使用成績をバイオナイーブ例および他バイオ製剤からのスイッチ例で評価し,成績と適応について検討した.【対象と方法】当科で2009 年〜2011 年にRA へA DA を開始した連続21 症例に関し,バイオナイーブ14例(男性2例,女性12 例,平均53 歳,罹病期間8年,メトトレキサートMTX併用85%,平均6.6mg)とスイッチ7 例(全例女性,平均67 歳,罹病期間14 年,MTX 併用71%,平均5.7mg)での治療継続率・効果・安全性を検討した.またX線で関節破壊の進行を評価した.【結果】バイオナイーブ例では12,24ヶ月での継続率は79%,63%と良好で,疾患活動性DAS28-ESR は平均5.2 から2.6 へと改善し(p < 0.01),約50% の症例で12ヶ月時に寛解が得られ,24ヶ月時まで維持された.アメリカリウマチ学会(ACR)50/70 反応率は12ヶ月時77%で達成され,24 カ月時57%で維持された.X線では骨びらん・関節裂隙狭小化ともに進行の抑制が得られた.一方,スイッチ例ではインフリキシマブ二次無効から変更した2例のみ治療効果が得られて2 年間継続しえたが,それ以外は効果不十分例が多く,12 カ月以降の継続率は29%と低かった.帯状疱疹による入院を21 例中2例で必要とした他,注射部位反応による中止が1 例生じた.【結論】ADA はバイオナイーブでMTX 併用のRA が最も良い適応で,1st choice バイオ製剤としての疾患活動性の抑制や寛解の導入・維持,関節破壊の防止に有用である一方,他剤からのスイッチとしての選択は,より慎重にすべきと考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ