生体肝移植ドナーに対する抗酸化物質を用いた術前免疫栄養に関する予備試験

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  • A Pilot Study of Preoperative Immunonutrition with Antioxidants in Living Donor Liver Transplantation Donors

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抄録

【目的】活性酸素が過剰に産生されることで外科手術後に組織破壊や臓器機能不全を招来することがこれまで報告されている.本研究では肝切除を受ける患者に抗酸化物質を含む術前免疫栄養を行い,術後経過に与える効果を検討した.【対象と方法】23名の生体肝移植ドナーを対象とした.通常の食事に加え,術前5日間抗酸化物質を豊富に含む栄養剤を摂取した実験群(AO群)と通常の食事のみのコントロール群(CT群)に無作為に分けた.フリーラジカル自動分析装置を用いて患者血清を吸光光度分析法にて抗酸化力を測定した.【結果】AO群の90.9%において免疫栄養後に抗酸化力が増加した.CT群に比較してAO群は術後により高い抗酸化力とトランスフェリン値を示した.またAO群は術後の白血球数,好中球数が低く,術後発熱期間が短かった.それ以外の栄養学的指標,肝機能,免疫学的指標,手術因子や術後経過に2群間に差を認めなかった.【結論】抗酸化物質を含む術前免疫栄養による明らかな臨床的アウトカムを示せなかったが,術後免疫応答を改善するのに有用である可能性が示唆された.

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