クラスター分析とフレーム分析による語彙のジャンル別特徴 : 「現代日本語書き言葉均衡コーパス」を用いて

書誌事項

タイトル別名
  • Genre Specific Characteristics of Lexicon from the Perspectives of Cluster Analysis and Frame Analysis : A Case Study of BCCWJ
  • クラスター ブンセキ ト フレーム ブンセキ ニ ヨル ゴイ ノ ジャンル ベツ トクチョウ : 「 ゲンダイ ニホンゴ カキコトバ キンコウ コーパス 」 オ モチイテ

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抄録

本研究は、『現代日本語書き言葉均衡コーパス』における語彙頻度情報に基づき、語彙使用の特徴をジャンル別に明らかにすることを目的とする。基本語彙の特徴を明らかにするため、量的なアプローチとして動詞および名詞の高頻度語彙を対象にコーパスのジャンル間の共起関係を調べ、統計的な類似度の尺度の1つであるコサイン係数によって類似性を測定し、クラスター分析を行った。その結果、名詞・動詞ともに書籍コーパスと教科書コーパスで大きな違いがあること、また文系・理系の分野間では類似性が見られることなどが明らかになった。次に、ジャンルごとの特徴を意味的に明らかにするため、各ジャンルにおける特徴的な動詞について、フレーム意味論およびFrameNetに基づき、フレームの観点から質的な分析を行った。その結果、各ジャンルには典型的に喚起されるフレームが存在することが明らかとなった。FrameNetにおけるフレーム間関係を用いて分析すると、例えば「文学」のジャンルでは「感情」「知覚」「身体動作」などに関するフレームが特徴的に見られることが分かり、これまで明らかにされてこなかったジャンルごとの意味的な特徴が浮かび上がる。

収録刊行物

  • 言語文化論究

    言語文化論究 34 21-34, 2015-03-20

    九州大学大学院言語文化研究院

参考文献 (1)*注記

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