書誌事項
- タイトル別名
-
- Mermaid Construction: A Contribution from Japanese Linguistics to General Linguistics
- ニンギョ コウブン : ニホンゴガク カラ イッパン ゲンゴガク エ ノ コウケン
この論文をさがす
説明
日本語には,(1)の構造を持った文がある。その例文は(2)から(4)である。(1) 体言締め文または人魚構文 [節]名詞 だ。(2) [太郎は名古屋に行く]予定だ。(3) [太郎は今本を読んでいる]ところだ。(4) [外では雨が降っている]模様だ。この種の文は奇妙である。意味の面では,例えば,(2)について言うと,太郎は人間である。予定ではない。統語の面でも奇妙である。[節]の部分は,(2)から(4)では,動詞述語文と同じ構造を持っている。しかし,文は「名詞 だ」で終わる。(よって,「体言締め文」と名付けた。)すなわち,前半は動詞述語文と同じ構造を持ち,後半は名詞述語文と同じ構造を持っている。(人魚に似ている。よって,人魚構文とも名付けた。)先行研究の中には,[節]の部分を連体修飾節とみるものがある。しかし,統語的な振る舞いを見ると,[節]の部分は連体修飾節とは違い,動詞述語文と同じである。(1)の構造の「名詞」の位置に現れる名詞は,意味・形態・統語の面で,文法化の過程を進んでいる。意味の面では,人魚構文の外で使う場合と意味が違うことが多い。形態の面でも,統語の面でも,名詞らしさを失っている場合がある。「自立語 → 後接語 → 接尾辞」の変化を遂げたと思われるものもある。
収録刊行物
-
- 国立国語研究所論集 = NINJAL Research Papers
-
国立国語研究所論集 = NINJAL Research Papers 1 53-75, 2011-05
国立国語研究
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390853649697989632
-
- NII論文ID
- http://ci.nii.ac.jp/naid/KJ00008490050
- 110009576077
-
- NII書誌ID
- AA12536262
-
- ISSN
- 2186134X
- 21861358
-
- NDL書誌ID
- 023638022
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- departmental bulletin paper
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles